嘘つきな僕ら
【なんのお願い?】
物事をグレーゾーンにするのが苦手な俺。
白か黒か、物事はハッキリしていてほしい。
だから単刀直入に質問する。
~♪~♪~♪~
西山【私が中原くんとメールをしたいと思っていたので、麻衣子ちゃんに私のアドレスを書いた紙を渡してもらうように頼んだんです。
それで、そのことへの返信かと思いました】
………え!!!!
俺とメールをしたかった?!!
言葉と違って、文章は消さない限り残るもので、俺は何度も携帯の画面に写る文字を見返した。
てか…これはどういう展開…!?
いや、待てよ。
とりあえず落ち着け。
女子と連絡を普段からしないから、ちょっと大袈裟なことを考えてしまうだけで。
別に守のこととか聞きたくて、そんで、だから俺に連絡先を教えた、的なことだよな…
俺は必死に言い聞かせる。
頭か心か、どこに言い聞かせてるのか分からなくなるくらい、何度も何度も繰り返した。
【誰かのことを知りたくて?】
グレーゾーンは嫌い、苦手。
でも産まれて初めて思った、物事全てに白黒つけるのは良くないって…
~♪~♪~♪~
西山【誰かって誰のことですか。
正直に告白すると、私が中原くんのことを知りたくて、です】
さっきの返信より難易度の高い返信文…
てか、これは普通に告白なの?
誰かのことを知りたくて、そう質問したら俺のことを知りたいって…
いやいや…
そういうこと…
~♪~♪~♪~
西山【ごめんなさい。
変なことを書いてしまってごめんなさい。
本当のことだけど変なこと…ごめんなさい】
返信してもいないのに、2通目のメールが送られてきた。
本当のこと…
変なこと…
俺はどう受け止めれば…
~♪~♪~♪~
再び鳴り響く携帯の着信音にドキッとする。
深呼吸してからディスプレイを見ると、メールではなく着信だった。
そんで今話しにくい相手、守からだった。