クリスマスに泣かないように

◇◇◇



会社が終われば、私は真っ先に家に帰った。


そして、時間をずらして彼が来るのを待つ。



月曜日と、木曜日の約束だった。



香水もつけないし、泊まったりするわけじゃない。


向こうの奥さんにバレることはなかった。


罪悪感はある。

奥さんに申し訳ないって思いはある。けれど。



それを代価にとっても、心地よかったんだ。



体の関係が、じゃない。


彼の隣が、どうしようもなく。


前世からここにいたみたいに和らいだ。


別に傷ついたりしてないのに、なぜか落ち着いて、何かが癒された。


恋には色々あるという。


私は、間違いなく安らぐタイプの恋だった。



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