クリスマスに泣かないように
『姉ちゃんは本気で悩んで傷ついて、最後は捨てられた。
結局ねぇ、不倫なんかするくらい妻がいやなら別れろってゆー話なのよ』
別れないっていうことは、やっぱり妻を想ってるってこと。
『考えてみたらわかるでしょ?てか、あんた今日私にそれ言って正解だったね…』
『うん…』
魔法が溶けた音がした。
解けるじゃなく、溶ける。
恋は盲目。
気づきたくない所は意識的に見えなくなってしまう。
そこを見せてくれて、教えてくれた友人は。
『クリスマスまで、よ』
期限を私に与えた。