クリスマスに泣かないように


いつからか私は、別れることを“義務化”するようになっていた。


一緒にいればいるほど、一人のときに後悔する。

好きになればなるほど、向こうの想いの薄さを疑う。

想えば想うほど、傷つく。



一ヶ月のうちに。

早く、早く別れなきゃ。



じゃなきゃ私は傷つくんだ。



愛すれば愛するほど傷ついてしまう。



彼=私が傷つく。

そのように体が覚えてしまい、彼に触れられるのも怖くなった。


怖くなるたびに別れを切り出そうとするんだけど、彼は雲のように逃げた。



『まだ別れてないの?』


『うん』


『いい加減にしなよ。じゃないと、別れたときの辛さがヤバイよ?』


『わあってるよ…』



日に日に迫る期限に、私は焦って磨り減っていった。



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