クリスマスに泣かないように
その“明日”は思ったより早くきた。
来るなと願うほど早くきて、思わず笑いそうになる。
玄関のドアを開けるなり、飛び出すように入ってきた。
『リエちゃーんっ!ケーキ!
駅前で売ってて、一緒に食べたいなと――』
『座って』
『なんかイチゴケーキで』
『ん。いいから』
『…リエちゃん』
『ほら』
私の態度に、諦めたように笑った。
…覚悟はしていたんだ。
その諦めた笑みに、罪悪感が芽生えたのはなぜだろう。