クリスマスに泣かないように
世に言う不倫を経験することになるとは、予想もしなかった。
タカシとは同期で会社に入社して、大体おんなじくらいのペースで仕事をしてきた。
一年前、忘年会だかなんだかで、タカシの友達が『タカシを祝ってやってくれーっ』なんて言い出して、クリスマスに入籍した事を知った。
そう、知っていたのだ。
また遅れちゃったよ同い年に、くらいの感じで受け取ってた。
だってどうでもよかった。
同期だけどあまり関わりがない人だったから。
ある日、たまたまタカシが友達と喋ってるのを喫煙室で聞いて、口出しをしてしまったのが出会いだ。
ただ単に私が絡んだだけだが、聞いていてイラついたのだ。
私は思ったことを率直に言ってしまう。
直さなきゃ、とは思ってるが、中々性格は変えられないものである。