【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
受け渡されたあと
叫んだあたしに、
不機嫌そうに、でも抱える手は優しいままで
「なんだよ。
いやなのか?」
という。
そんなこと言われて
嫌なんて、いえる?
いやいや、無理 ムリ 無理 ムリ
言えるわけないじゃないですか!
「ううん。嫌じゃない」
絶対。
あたしの顔 真っ赤だ
そんな顔 みんなに見られたくない
そうおもって、
掴まるふりをしながら、涼の胸に
顔を埋めた。