【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
「お待たせ」
外に出ると、紅髪は壁によかって待っていた。
「おせーよ」
「もう、そんなこと気にするような小さな男はモテないぞ」
あー、なんて楽なんだろう。
紅髪としゃべるのって、
もしや、女子会男子(女子会の男目線のアドバイスや、女子同士の仲裁をする男)って、草食系じゃなく紅髪みたいな奴のこと?
なんて、くだらないことが頭を占める。
「ねー、女子会参加したことある?」
あ、うっかり気になってたことが口からでちゃった。
「あ?んなもん参加するわけねーだろ。」
でーすーよーねー。
「あー、うん。そうだよね。
なんか、紅髪ってすごくしゃべりやすいから
慣れてるのかなって。」
「しゃべりやすいって、
そ、そんなことねぇよ。」
なんで、動揺してるの!
うーん。顔をみたい。
いいよね。
「エイッ」
顔を覗き込む。
「なんだよ?
褒めてもなんにもでねぇからな。」
そういいつつ、顔を隠そうとする。
気になって、顔を見ようと四苦八苦していると
「いらっしゃい。
なかなか、こーへんから迎えに来ちゃいました」
前方から、笑いを含んだ声がした。