【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
ジーッと見つめていると、
クスッっとまた笑った。
「もっと、屈辱的な顔しーへんと
おもしろーないやん」
そういって、悠貴はあたしの首元に顔を埋めた。
チュッという音と共に
鈍い痛みがはしる。
どうしてだろう。
苦しそうに思える。
押さえられている、この状況で
あたしが、いうのは、変かもだけど。
言わずにはいられなかった。
「うん。
辛かったね。」
あやすかのようにいうと
悠貴は驚いて、手を緩め顔を上げた。
そのすきに、手をぬいて
のっかてくる、悠貴の頭を抱え込むように
ポンポンとたたく。
「よし、よし。」
「子供扱いすんな。
俺の方が、年上なんだけど。」
ムスッと、していても
声は嬉しそうにいった。
「よく言うじゃない。
いつまでたっても、男は子供って。
気にしないの!」
そう、気にしちゃダメ
「チェッ。ぜってー、さなのほうがガキなのに」
え?
いま さな って。
よ、呼び捨て!