【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
急激に恥ずかしくなって、顔を背ける。
悠貴ってなんで、さらっと恥ずかしいこと言えるの?
もう、意味不明。
「なんで、いまさら照れてんの?
かわいい。
ねー、本気でさなを涼から奪っちゃオーかな」
「な、にいって。」
「俺。マジやから」
そういって、顎をつかまれて
むりやり向かい合わされる。
・・・本気だ。
そう、思った。
頭の中で危険注意のベルがなる。
絶体絶命。
その時。
「大変ッス。
翼龍の涼が、一人で突入して
仲間をどんどん倒してるッス。」
ちびの声で、悠貴も総長の顔つきになる。
「ここに誘導しろ。
誘導後は、全員したで待機!」
「了解ッス」
パタパタと足音が遠ざかる。
本当に?
あたしのために、涼一人で?
うれしい。
すこしは、好かれてるって自惚れていいの?
仲間だって思ってくれてるの?
つい、ニヤニヤしてしまう。
「あー、悔しいなー
そんな、嬉しそうにされちゃあ
俺の立場は?」
悠貴がいかにも悔しいってかんじにいう。