【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~


「黙って。」


そういって、また悠貴の顔が近づいたとき。





「おい。悠貴。

それ以上は、ゆるさねえぞ。」




低く、腹のそこに響く声がした。


涼だ。




声だけでわかるくらい

怒り狂っている。



あたしが、怒られてるわけじゃないのに



背筋を伸ばしたくなる。

そして、背中には冷たい汗も流れる気もする





「いらっしゃい。

久しぶりだね。涼。」


悠貴は笑顔のまま告げた。

すごいよ。この状況でわらっていられるのは

君くらいだよ!



「なにしてるんだ」



うん。涼は、再開の挨拶をする気はないみたい。




「なにって、さなに俺の愛を現してたんだけど?」



そういうが早いか、あたしを抱き寄せて、

胸元や首筋を涼に見せる。


かなりのキスマークがついているのだろう。


かすかに、抵抗するもあまり意味はなかった。



「ふざけんな

いやがってただろ!」


涼にはすごい汗が流れている

相当、急いで来てくれたのだろう。


「関係ないんじゃない?

君には。

彼女のこと、ふったんでしょ?」


悠貴が、あたしの首筋をナメながらいう。


「それは!」

「ちがうとでも?」

悠貴は、余裕ありげに笑う


「そいつが、好きなのは俺なんだよ。

しかも、翼龍のメンバー。

俺のもんに決まってんだろ」



やっぱり、翼龍のメンバーだから来てくれただけなの?

すごく、胸が痛む





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