【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
頷いたあたしをみて
涼は、あたしの手をとって
歩き出す。
心なしか震えている?
暗くて良く見えないけど
顔を見ると
あたしとおんなじくらい
赤いと思う。
そう思うと嬉しくてあたしは強く涼の手を握り返した。
バスに乗ると、朝と同じように隣に座る。
でも、朝とはちがう心持ちに
胸のドキドキが
とまらない。
お互いしゃべらず、手だけはずっと繋いでいた。
ああ、後二つであたしの下りる駅だ。
言いようのない寂しさに襲われる。
先に下りてくれたら、
諦めが着くのに・・・