【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
「なんでだ?」
涼の声からは感情が
全く読めない。
怒ってるのか。
どうでもいいのかすら。
わからない。
謝罪してきた美紀を
怒ってたからって、
叩いてしまったあたしを軽蔑しないかな?
いうことがこわい。
嫌われたくない。
こんなこと、思ったのは
初めてかもしれない
ひとまず、かい摘まんで
当たり障りなく言ってみる
「美紀と喧嘩しちゃったんだー
しかもつい、
美紀のこと叩いて
大っ嫌いって
いっちゃたんだ。」
無理矢理に笑ったあたしをみて、
涼は、薄く笑った。
「馬鹿だな。
ガキの喧嘩かよ。
俺が、いざとなったら守ってやる
だったら、おまえがやんなきゃいけねぇのは、
全力でぶつかることだろ。
だったら、美紀に全力でぶつかってこい。
あとは、俺がうけとめてやる。」
涼の言葉は不思議と
あたしの中に、
スーッと入ってくる。