【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
涼に、視線で
助けてよ。
このうるさいの、どうにかして。
という意味を込めて見ても一向に気づいてもらえない。
幸は絶対気づいているのに
それでも、気にしないのか
ニヤニヤしながら、話しつづける。
「ねー、さなちゃん。
今度から姫って、よんだほうがいい?」
そういえば、前にも『姫』って聞いたような?
あたしが反応したのに気づいたのか、幸は
これでもかと畳み掛ける。
「姫はね。総長の女。
つまり、翼龍のプリンセスってこと。
さなちゃん、おめでとう!
涼の代、初の姫だよ~」
初の姫。
つまり、涼の総長になってからの初彼(はつかの)?
どうしよう。
かなり うれしんだけど。
にやけてないかな?
そんなことが気になって、口に手を当てる。