【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
こんなところで、泣いていいわけない。
泣いて謝ったって自己満足でしかないんだ。
そう思って、涙をこらえる。
それでも、こぼれたものを
急いで服で拭き取って居ると、
ぼそっと美紀が言った
「・・・謝んないで」
「え?」
意味がわからず問い返す。
「だから、謝んないでって言ってるでしょ?!」
美紀は、小さくなるように座っていたのを
さらに小さくなるくらい
身体を縮めて叫んだ
嫌われた。
当たり前だ。
あたしが悪かったんだもん。
こんなあたしが姫なんて
チャンチャラ可笑しいよね?
やっぱり、来なければよかった。
ぽろぽろと、涙が落ちる。
急いで拭き取ってみる・・・・けど
どうしよう。とまらない。
「なんで、さな が泣くの?」
そうだよね。
あたしに泣く権利なんて・・・
「なんで、謝んの?
悪いのは全部ウチなのに。」
びっくりして、
眼をパチパチしてしまう。