【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
こんな奴翼龍にいたか?
女は、こっちを見ているのに見ていない。
何なんだ?こいつ。
「なぁ、おまえ誰だ」
低めの声で聞く。
それでもビビんねぇ。
それどころか、じっと見てくる。
でも、頬を赤らめたりしていないで
ジーッと見つめるなんて
変な女だ。
まぁ、見られんのには慣れてるけど
応えるのを待つ
早く答えろ。
そう、苛立ちかけたとき
代わりに幸が、答えた
「怪我してたから、手当てしてあげてた
美紀の友達だしね」
なんで、幸が答えんだよ。
「ッチ。コイツに聞いてんだ」
つい、舌打ちしてしまう。
「さ、さようなら」
ハッとしたように女は、逃げていった。
何だったんだ?
「フワァー。
誰?あいつ。」
美紀にきいてみる。
絶対連れてきたのはこいつだ。
ダチとか、言ってたしな。
「ああ、さな?
西田 さなっていうの。
翼龍知らないみたいだったから、教えるのが面白くて。」
楽しそうに美紀が言う。
西田さな、か。
「っつーか、早く帰るぞ」
直に言われて渋々美紀と幸が帰る仕度を始める。