【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~

そんな、考えが頭を過ぎった


若干の苛立ちを感じつつも、地味に楽しい

あえて、恐い顔をつくって、

さなをみる。



「さっさと、拾えよ。

んなことも できねのかよ。」


低めの声できつめのことも言う

さなの表情がピキッという音付きで固まった。



愉しくてニヤッとしそうになるのをこらえつつ、

言葉を意地悪く続ける



「それと、早く答えろ」


なんて答えるのだろう。
こいつの中の翼龍のイメージが
この質問で浮き彫りになる。

ワクワクしてるのを

悟られないように、無表情を決め込む



「あの、先にひとついいですか。」


と、さなは胸の前で手を組んで

強くにぎりしめた。




「なんだ?」



早く答えが聞きてぇのに。



今度は右手で伸ばした左手をさすっている。



んな、さみぃか?

羽織るもんでも・・・

って。

いつから俺はそんな優男キャラになったんだよ



心の中で自分にツッコミを入れていると

さなが口を開いた




「あの、!

あたしの名前は・・・」



「さな」

んなことか。


「え??」

なんで、驚くんだ。



「さな だろ

知ってるにきまってるだろ」



こんな面白い奴。

しかも、一度会ってるしな。

忘れねぇだろ。

いきなり、珍しい奴が部屋にいたら

なおさらな。








さなは、なんかよくないことを

考えているような

顔をする。

意識もどこかに飛んでんじゃねぇだろうな




「なに、考えてんだ。


ふつー

一回見たり 聞いたりすりゃ

おぼえれるだろ

別に特別とかじゃないから」



「いや、すごいよ!」



すぐに言葉をかぶせてくる。


なにが、スゲーんだ?



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