【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~



軽くのつもりが

さっきほどではないがかなり走った

喉に乾きを覚えたので



自動販売機で買った

500のペットボトルのスポーツドリンクを一気に飲み込む




体を動かしたおかげで気分は少し浮上した。

そしてバスに向かってまた、走ったのだった。




バスにつくと、窓からさなが起きているのが見えた

ドアをあけ、バスに乗り込む



すると直に抱えて貰っているさなが眼に入った


顔が強張るのは仕方ない。
かなり心配だったしな。
それに、無性に腹が立つ。
そして悔しさも覚えた


そして、真っ直ぐさなに向かって歩く


「おい、代わるからよこせ。直」

と、張り合うように言った俺に


「んー」


と直は、どうでも良さそうにかえす。





「ええええええええええ」



受け渡されたあと


叫んださなにイラツキを感じた



でも、怪我したばっかのさなに

無理させるわけにもいかないので

なるべく労りながら聞き返す




「なんだよ。

いやなのか?」



「ううん。嫌じゃない」


そういって、さなは

俺の首に手を回して

胸に顔を埋めた。


ヤベェな、これ。



さなの香が鼻をくすぐる

抱きしめている体が思いのほか小さくて

緊張する。



ドキドキ


心臓の音が、こいつに聞こえねぇか

不安になる。




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