【完】翼龍 ヨクリュウ ~あたしとクールで腹黒な総長と~
言い終え、また先に歩き出す。
さなは、遅れがちになりながらもついて来ている
「涼!ちょっと、まって。」
「・・・」
なんだ?
「あの、速いのでゆっくり、
その、歩いてほしいな~
なんて、おもっていたり
えっと、するんだけど、」
歩きにくいか。
そんなこと俺に言った奴なんて久しぶりだな。
意識せず黒い笑みが漏れる
「ふーん。じゃあ、また、手でも繋ぐか?」
「えっと。ペース落としてくれるだけでいいんだけど。」
「遠慮すんなよ。
ほら、」
手を差し出す。
取るべきか悩んでいるのが、手に取るように分かる
「いらねーのか?
後悔すんなよ?」
と、わざと意地悪く手を引こうとする。
「まって。いる。繋ぐ。」
っと、繋いできた。
素直だな。
断るかと思ったんだが・・・
意外だったな
ってか、またやっちまった。
なんでか、からかうだけならキザに言えんだけどな
次がやっと最後の教室だ。
さなが、緊張気味に
そっと、ドアノブを回した。