大好きだよ?お兄ちゃん
「杏…嘘つくのが下手」
目がめちゃくちゃ泳いでいたし、動揺してスプーンまで落としてる。
「東条…か」
東条は少し先に住んでいて、杏の幼馴染み。
「今日…家に来た…んだよな」
物の配置はいつもと変わりはない。 でも少しムカッとするのは…
「杏…パジャマ着ててはだけてたんだよな…」
あの時、目の保養とか言ってないで指摘しとけば良かった。
もしかして…
「…襲われた?」
「何に?」
背後に杏が立っていた。
きょとんとした顔だが、少し顔に疲れが出ている。
杏の手を握る。
「杏…教えろよ…何があった?」
手がピクっと動いた。
「お兄ちゃん…!」