大好きだよ?お兄ちゃん
*終わりと始まり*

5 実はね…


杏のことを、ただの兄弟って見れなくなったのは…


杏が中1の頃のこと。



「お兄ちゃんっ!今日から中学生になったんだよ!!」


真新しいセーラー服を嬉しそうに着る杏。

この日は入学式だった。

両親はこの頃から仕事ばかりで、俺が代わりに来たのだ。


ぶっちゃけ、目立ってたけど…



「姫美ちゃんのところに行ってくるっ」

そう言って、俺は校門前でずっと待っていた。





でも何十分、何時間しても帰ってこなかった。



杏の持ってきた鞄は俺が持っていて、ケータイは使えない。


杏のケータイの履歴を見て、姫美ちゃんって人に電話をかけた。

すると






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