コトノハの園で
どう、思われたのだろう。
深町さんが深く呼吸をする。
そして――
「女性って、やっぱりみんなずるいです。多かれ少なかれ内包していて。でもそれが全てじゃない。……中には、森野さんを傷つけるだけの人もいるでしょう。いるかもしれない。けど、そんなのは隕石に当たるくらいの確立だから、存在する、優しい誰かを否定してほしくはない。これから出会う人は、きっと森野さんだけを愛してくれて、大切に想ってくれます。――うんっ。きっと震えもなくなるっ。こういうことは声に出して結果を引き寄せるんです。言霊です。だから、今だったらなんでも賭けちゃいます、私。もちろんそうなれるほうに」
……見くびっていた。
それなりの、同情の言葉をかけられると思ったら、深町さんは女性のずるさを宣言し、それでも大丈夫だと言い切る。
それでも、誠実なのだと。
そんなこと、理解はしていた。けれど、こうやって口にされたことは初めてで、僕はきっと、今、実感した。
――幸せに、真っ直ぐに生きてきた人の意見。間違いではないけれど、そうでない事態だってきっとあるだろう。
けれど、下手な慰めが一切ないその言葉たちは爽快だった。
「――隕石か。それは僕には導き出せない見解で新鮮です」