非リアな僕ら
まさかの非リア仲間入り
アンハッピーバレンタイン
「先輩」
「ああ?」
「今日何日ですか?」
「2月13日」
「明日ってあれですよね。」
「ああ、バレンタインだな。」
町がキャッキャウフフしている今日この頃。ここ演劇部の部室はどんよりとした空気に包まれています。
「先輩、私昨日彼氏に振られたんですよ。」
「奇遇だな。俺も本当に昨日彼女に振られたわ。」
「虚しいですね。」
「虚しいな。」
演劇部はゆるい部活で、いつももそんなに人がいるわけではないけれど、それなりには集まっています。それが今日は先輩と私以外誰も来ておりません。
きっとみんな明日のバレンタインに向けてチョコ作ったりしているんでしょうね。
リア充爆発しろ!!!
「…先輩、そんな顔してたら誰も入ってこれませんよ。」
「お前も同じような顔してるだろ。」
なんとなく気になってしまった先輩の顔。
先輩はほんともう、魂が抜け落ちたみたいな顔をしていてイケメン顔が台無しです。おそらく私はそれ程ではないはずです。
………多分。
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