非リアな僕ら



「先輩どうもでーす。」

「てめぇ、この場合普通はお前が先にここに居るはずだろ。」


只今待ち合わせ10分後。

真面目な先輩はあんな一方的な約束にもかかわらず、きちんと待ち合わせ時間より前に来てくれていたみたいです。


「先輩、学習能力ないんですか?」

「後輩よ、これが欲しくないならそう言えよ。」


先輩が持っているのは学校近くの安いことで有名の洋菓子店の袋。

ジッと先輩を見つめてみる。


「先輩、まさかそれ、お返しですか?」

「…なんだよ。」

「それ安いとこのじゃないですかー。3倍返しって言いましたよねぇー。」

「買ってきてやっただけありがたく思え。」


えーーー。期待してたのにーー。





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