非リアな僕ら
-おまけ-
「たーすけいるか?」
後輩に無理矢理ホワイトデーの約束を決められた次の日。要するにホワイトデー前日。
部屋でくつろいでいたところに兄貴がやってきた。
「なんだよ兄貴。なんか用?」
「これやるよ。」
兄貴から渡されたのは兄貴が働いているレストランのホワイトデー限定スイーツバイキングのカップル割引券。
「お前にこんなん渡しても一緒に来てくれる女の子いるかわかんないけどさ。」
「俺にだってそんな女の子いるし!!」
確信犯だ。俺を笑うためにわざわざこれを渡しに来やがった。
笑いがこらえきれず口が超気持ち悪いことになっている兄貴。
「本当か?んじゃあ明日俺の店に連れて来いよ。」
「ああ分かったよ、連れて行ってやるんよ。」
「本当にいるのか?ホワイトデーにお前なんかといてくれる女の子。」
「ああいるさ。そこまで疑うんならちゃんと責任とれよ。」
「いいさ。なら明日女の子を連れてこれたら俺がおごってやるよ。」
「その言葉ぜってー忘れんなよ。」
「当たり前だ。お前は、連れてこれなかったら1万な。」
「よし、その話のったぜ!」
やったね。明日はタダでスイーツ食い放題だ。
後輩よ、誘ってくれてありがとう。