非リアな僕ら




「みんな~、部長にちゅーもーく。今年もまた、一年生が我が部に入ってきてくれました。今年は15人です。んじゃあ、一年生自己紹介順番によろしく。」


今日は蒼くんが入部してから数日後の一年生歓迎お菓子パーティーです。部室で各自が持ち寄ったお菓子で騒ぎ倒します。毎年の恒例行事だそうです。


「立花 蒼です。部活発表の蘭先輩の演技に惹かれて入部しました。先輩方の足手まといにならないよう、頑張ります!」


蒼くんとはそれなりに仲良くなりまして、蘭先輩、蒼くんと呼び合うようになりました。


こうやって、蒼くんが高木さんのことを言ってくれるのはいいんですけど、いつもなんだかなぁ、と思ってしまいます。なんせ私は女ですから。


しかも今回は先輩がニヤニヤした顔でこっち向いてますし。



「今の聞いた?お前すげぇじゃん。高木さん(男)に惹かれたんだって。男として生きた方がいいんじゃねぇの?」

「聞きましたよ。あんなこと言ってくれちゃって、かわいいですよね、蒼くん。先輩と違って。」

「当たり前ですー。なんたって僕は男ですからー。」

「あっれー?もしかして先輩、女の子の日ですかぁ?苛ついてますねぇ。かわいくなくても女の子ですもんねぇ、田中先輩。」

「お前なぁ……」


「2人とも!!静かに一年生の自己紹介聞いててください!たっちゃん先輩、いちいちあおに構わなくてもいいですから。あおは静かにしとけや、アホ。」



「「はぁーい…。」」





美波さん怖い。

< 37 / 38 >

この作品をシェア

pagetop