非リアな僕ら
「みんな~、部長にちゅーもーく。今年もまた、一年生が我が部に入ってきてくれました。今年は15人です。んじゃあ、一年生自己紹介順番によろしく。」
今日は蒼くんが入部してから数日後の一年生歓迎お菓子パーティーです。部室で各自が持ち寄ったお菓子で騒ぎ倒します。毎年の恒例行事だそうです。
「立花 蒼です。部活発表の蘭先輩の演技に惹かれて入部しました。先輩方の足手まといにならないよう、頑張ります!」
蒼くんとはそれなりに仲良くなりまして、蘭先輩、蒼くんと呼び合うようになりました。
こうやって、蒼くんが高木さんのことを言ってくれるのはいいんですけど、いつもなんだかなぁ、と思ってしまいます。なんせ私は女ですから。
しかも今回は先輩がニヤニヤした顔でこっち向いてますし。
「今の聞いた?お前すげぇじゃん。高木さん(男)に惹かれたんだって。男として生きた方がいいんじゃねぇの?」
「聞きましたよ。あんなこと言ってくれちゃって、かわいいですよね、蒼くん。先輩と違って。」
「当たり前ですー。なんたって僕は男ですからー。」
「あっれー?もしかして先輩、女の子の日ですかぁ?苛ついてますねぇ。かわいくなくても女の子ですもんねぇ、田中先輩。」
「お前なぁ……」
「2人とも!!静かに一年生の自己紹介聞いててください!たっちゃん先輩、いちいちあおに構わなくてもいいですから。あおは静かにしとけや、アホ。」
「「はぁーい…。」」
美波さん怖い。