大嫌いなアイツの彼女になりました。






「ただいまー」


「お、お邪魔します……」


 俯いてそう言いながら望月相馬の家に入る。



「……おっそーーい!!」

 だけどいきなり頭上からそんな大きい声が聞こえたため、あたしは驚いて顔を上げる。



 見上げたその先には、腕組みと仁王立ちをしながらあたしを見下ろす双葉ちゃんがいた。






「わっ!」


「なに、その反応」


 双葉ちゃんは既にもう怒っているみたいだ。




「い、いや……」


「じゃあ、行こうかっ?」


 気まずい雰囲気を察した望月相馬が、明らかに作った元気を出してそう言った。





「……ふんっ」


 双葉ちゃんはあたしをじっと見つめた後、鼻を鳴らして先に家の奥へと歩いて行く。



 あたし達も、苦笑いしながら後を追った・・・












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