大嫌いなアイツの彼女になりました。
まるで、あたし達を照らしているようだ。
……なんて、ちょっと臭いセリフかな。
「……でも、作ってくれたオムレツ美味しかった。また、作ってね」
望月相馬はそう言うとあたしを抱きしめる腕に力を込めた。
ー-美味しかった。
ー-また、作ってね。
なんでだろう。
そんな言葉が胸に突き刺さって、刺さった部分から全身に熱が広がっていく。
普通の言葉なのに、ものすごく嬉しく感じる。
「………うん」
あたしは嬉しくて自然と微笑んでいた。
「……よしっ、充電完了!」
そう言った望月相馬はあたしからゆっくりと離れた。
「じゃあね、純香ちゃん」
「うん、気を付けて帰ってね」
「うん、ありがとう」
望月相馬は嬉しそうに微笑むと、再び踵を返した。
「……バイバイッ」
そう声をかけると、望月相馬は手を上げた。
「うんっ」