大嫌いなアイツの彼女になりました。





 なんて、一人で意気込んでいると、

 <うん、いいよ♪超嬉しい!>



 あたしはそれを見てニヤリと笑うと、携帯をいじって早速報告をする。


 <みお!復讐計画実行開始した!>

 送信……っと。


 あたしはふふっと笑って、椅子ごと回った。


 みお、本名は鳩羽美織(はとばみおり)。

 転校した学校で仲良くなった、あたしの一番の親友でもあり良き理解者でもある。

 もちろん、アイツに昔いじめられていたことや二日前に偶然再会したこと、そして復讐のため付き合うことにしたことも伝えてある。




 しばらくして、そんなみおから返信がきた。


 <マジでしてんの?大丈夫?>

 <うん、大丈夫!>

 <なんか可哀相だなぁ、その子>

 <あたしの方が可哀相だよっ!>

 <……まあ、そうかもね>




 確かに、みおの言う通り、アイツが可哀相かなって思ったりもする。

 良心が全く痛まないかと言われれば嘘になる。


 だけど、それでも。


 アイツがしたことは、ただのいじめじゃなかったもん。

 いつも、今も、ずっとあたしは引きずっている。

 一生消えない傷を、つけられたんだ。


 まだ幼かったあたしの小さくて脆い心を、アイツは散々……。


「……絶対、許さないから」

 思い出して自然と落としていた目線を、携帯に移した。



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