大嫌いなアイツの彼女になりました。
いや、別に彼女も受け付けは出来るのだけど。
彼女は受付をするのがあまり好きじゃないようで、いつも代わりに誰かがやってあげている。
なのに、どうして今日に限って………。
あたしって本当にツイていないなって思う。
彼女はこういうの大好物だからなぁ。
明日にはもう店員全員に広がっているはず。
あたしは逃げ出したくなった。
「……あれ、どうして知り合いなの?……って、ここ確か純香ちゃんのバイト先だったね」
中川くんがあたしにそう笑いかける。
「……え?う、うん」
「おお!やっぱ先輩の彼氏、カッコいいですね」
「ありがとう」
後輩に優しく笑いかけた中川くんに、後輩は楽しそうにキャーキャー言った。
「はぁ……ヤマっち、受付」
ため息交じりにそう言うと、後輩は「そうでした!」と慌てて受付をし始めた。
「……じゃあ、楽しんでくださいねーっ!」
受付も終わり、後輩のビッグスマイルに送り出されるあたし達。
これは完全に明日みんなにいじられるパターンだ。
そう思いながら、カラオケルームに入って行った………。