大嫌いなアイツの彼女になりました。






 いや、別に彼女も受け付けは出来るのだけど。

 彼女は受付をするのがあまり好きじゃないようで、いつも代わりに誰かがやってあげている。


 なのに、どうして今日に限って………。

 あたしって本当にツイていないなって思う。



 彼女はこういうの大好物だからなぁ。

 明日にはもう店員全員に広がっているはず。


 あたしは逃げ出したくなった。



「……あれ、どうして知り合いなの?……って、ここ確か純香ちゃんのバイト先だったね」

 中川くんがあたしにそう笑いかける。



「……え?う、うん」


「おお!やっぱ先輩の彼氏、カッコいいですね」


「ありがとう」

 後輩に優しく笑いかけた中川くんに、後輩は楽しそうにキャーキャー言った。



「はぁ……ヤマっち、受付」

 ため息交じりにそう言うと、後輩は「そうでした!」と慌てて受付をし始めた。





「……じゃあ、楽しんでくださいねーっ!」

 受付も終わり、後輩のビッグスマイルに送り出されるあたし達。


 これは完全に明日みんなにいじられるパターンだ。

 そう思いながら、カラオケルームに入って行った………。










< 166 / 203 >

この作品をシェア

pagetop