大嫌いなアイツの彼女になりました。










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「だからね、いつだってー隣にいるよーっ♪」

 最近大分ストレスが溜まっていたからか、初めて中川くんとカラオケ店に来たっていうのに、気にせず熱唱しているあたし。



「ベストフレンドーーっ………ふぅ」

 何曲目か分からない歌を歌い終わったあたしは、アップルジュースを一口飲んだ。



 中川くんは何故か嬉しそうに微笑みながら、拍手をしてくれる。

 こういう優しい所、好きだなぁ。


 もしかしたら、中川くんとならあたし……。

 そんな風に思い始めている自分がいる。




「へへっ、ありがとう」


「純香ちゃんって歌上手かったんだね。」


「そうかなー?」


「うんっ」


 中川くんはリモコンをタッチして歌を入れる。


 歌が上手い……か。

 小学生の時の望月相馬とは正反対だ。




「……あ、あたしジュース無くなったから取ってくる!」


「うん、いってらっしゃーい」

 飲み物は飲み放題にしたためセルフサービスで、あたしは飲み物を取るためにドリンクサーバーがある受付の方へ行くことにした。


 そして中川くんに送られながらカラオケルームを出る。






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