大嫌いなアイツの彼女になりました。





 けどね、あたしも思った。

 あたし達、意外といい恋人になれるんじゃないかって。




「……でも、純香ちゃんが俺のこと好きじゃないって知ってたけど、それでも「大嫌い」って言葉は結構効いたなぁ」


 望月相馬はははっと笑いながらそう言った。



「あっ………あの時は、ごめん」


「どうして謝ってるの?俺のこと、好きじゃないのに」


 望月相馬は不思議そうにあたしを見つめ、また笑った。



 本当、自分でも不思議だ。

 望月相馬のことなんて、好きじゃないのに。

 どうして謝ったのか。


 ……けど、本当は気付いてるんだ。




「……ねえ、純香ちゃん」


 望月相馬はあたしをそっと自分から離す。

 望月相馬の体温が一瞬にして消えて、何故だか寂しくなる。


 それでも、望月相馬の真剣な表情を見て、あたしも心を入れ替える。



「小学五年生の時は、ごめん。今も、嘘吐いててごめん。いっぱい傷つけて、ごめん。我が儘で、ズルくて卑怯で、ごめん。」


「そんなの………あたしだって、復讐のためにあんたの気持ちを利用した。……ごめん。」


 望月相馬が頭を下げたから、あたしも頭を下げる。


 そしてあたし達は同時に頭を上げる。

 そのせいで、頭がぶつかる。


「いったぁ」


「いって……」


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