大嫌いなアイツの彼女になりました。







 望月相馬の驚いたような声が聞こえて、くすっと笑う。

 そして、目に溜まった涙を溢す。





「もちろんっ!だってあたし、ずっと前から、相馬くんのことが大好きだったもん!」


 あたしはそう言うと、へへっと笑いながら望月相馬から離れた。

 望月相馬は信じられないと言うかのように、目を大きく見開く。



 でもすぐに笑顔になると、

「……よっしゃぁぁぁあああ!!」

 マイクを手にして、そう叫んだ。



「キーーーーンッ」

 マイクからそんな耳が痛くなる音が聞こえ、あたしは耳を塞ぐ。


「もうっ……!」

 そう怒ったように言いながら、顔から笑みは消えない。




「ははっ、ごめんごめん」


「許さないもん……」


「えー、最悪ー!」


 あたし達は、笑顔でそう言い合った。





 ずっとずっと、続けばいいって思った。

 こんな時間が、一生続けばいいって。



 みおが言った通り、あたしはきっと〝復讐〟のために望月相馬と付き合ったわけじゃなかったと思う。



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