大嫌いなアイツの彼女になりました。




 でも、確かに中川くんは色々と勘が鋭い。

 あたしだって、色々見抜かれていたし。


 中川くんの期待には応えられなかったけど、友達にはなりたいって思う。




「……そっかぁ。良い友達だね」


「うんっ!」

 望月相馬の笑顔を見て、あたしは微笑んだ。



 そしてまた、思うんだ。

 やっぱり、大好きだなって。
















 小学校の頃、あたしをいじめていた〝アイツ〟。


偶然再会した時、アイツはあたしを助けてくれた。

 なのに、アイツはあたしのことを全然覚えていなかった。


 だから、決めた。

 アイツに、復讐してやるって。


 そのために付き合った。

 あたし達は、〝嘘ばっかりの恋人〟。





 ……けど、今はもうそんなの関係ない。


 だって、あたしはもう……




 大嫌いなアイツの彼女じゃなくて、


 大好きな相馬くんの彼女、なんだから。






















                   ✶END✶
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