大嫌いなアイツの彼女になりました。





「ねえ、前言ってたのもこんな感じだったの?」


「え?うん、こんな感じだった!」


「へぇー、面白いね」


「だろ?その時もみんなで爆笑してたよ」



 さっきとは打って変わって、仲良く話しながら映画館へ向かう。


 なんか、楽しいな……。

 って、ダメだって!


 今は復讐中なんだから。

 仲良くなんてなっちゃダメ!


 そう自分に言い聞かせ、気持ちを正した。














 映画館に着くと、望月相馬はチケットを買いに、あたしはポップコーンや飲み物を買いに行った。


 ポップコーンと飲み物が乗ったトレイを受け取った時肩をトンッと叩かれ、あたしは振り向く。



「よぉ」


「あ、もう買ったんだ?」


「うん、一番いい席ゲットした」


「まじで?ありがとっ」


 望月相馬はあたしに一つチケットを渡すと、あたしの手からトレイを取った。


「え、いいよ。持つ」


「こういうのは男がやんの」


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