大嫌いなアイツの彼女になりました。
「……あ、ここだよ」
そんなことを考えていると、あっという間にあたしの家に着いた。
「……へえ、綺麗な家だね」
「……ありがと」
例えそれが望月相馬だったとしても、家を褒められるのは嬉しい。
ちょっと照れてしまって、あたしは髪を触った。
「……じゃあね、また」
望月相馬はそう言って微笑む。
そして、あたしに背を向けて歩き出す。
あたしはぎゅっと拳を握りしめた。
……計画、実行だ。
「待って!」
あたしは望月相馬を呼び止めた。
望月相馬はその声を聞くとすぐ立ち止まって、ゆっくりとあたしの方を向く。
それとほぼ同時に、あたしは望月相馬の方へ走った。
「………え」
頭上から、望月相馬の驚いたような声が聞こえる。
うぅ……恥ずかしい。
けど、これは復讐だ。
そう自分に言い聞かせて、あたしは望月相馬の背中に回している腕にぎゅっと力を込めた。