大嫌いなアイツの彼女になりました。
遅刻生徒
ミーンミーンって、蝉の鳴き声も聴こえなくなってきた夏の終わり。
つまり、夏休みもそろそろ終わりを迎える今日。
あたしは部屋の中で扇風機の風を、体全面いっぱい受けている。
……あの日から、望月相馬とは一度も会っていない。
そして、連絡も一切取っていない。
っていうか、一方的に無視している。
だって、キスされたから。
どんな態度を取ったらいいか分かんないし、それにもう会いたくない。
いや、復讐はしたいから会わないといけないんだけど。
今はやっぱり、嫌だ。
だってあたしにとって、キスってそんな軽いものじゃなくて。
っていうか、望月相馬にされたくなかったし。
恥ずかしいし、恐いし。
もうどうしたらいいか分からない。
そんなこんなで、あれから望月相馬を無視しているのだ。
もちろん、みおにもキスされたことを話した。
だけどみおはあたしの話を聞くと、
「あー、それは仕方ないね」
とか、
「あんたが悪い」
とか言って、望月相馬の肩を持ったんだ。