大嫌いなアイツの彼女になりました。
『人数の多さなんて関係ないよ。どうせあんたがそういう話を聞き流してただけでしょ』
「うっ……」
何も言い返せなかった。
だって、みおの言う通りだったから。
友達はみんな恋バナとか誰がカッコいいとか話してくるけど、そういう時は大体適当に合わせてやり過ごしている。
みんなが楽しそうに喋っているのを横目に、あたしは空を眺めて雲が綺麗って思ったり、音楽を聴いてみたり、欲しいものを考えてみたり、本当にまあそんな感じで、話を聞き流しているんだ。
きっと話題になったことはあると思う。
ただ、あたしは聞いていない。
『ほら、だから男子に疎過ぎるんだよ、純香は』
「えへへっ」
もう笑うしかなくてそう茶化すと、みおはまた、呆れたようにため息を吐いた・・・