大嫌いなアイツの彼女になりました。
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「苦手なら、言ってくれれば良かったのに」
ふふっと意地悪そうに笑う望月相馬を、あたしは少し睨んだ。
そして顔をプイッと背けた。
ジェットコースターを乗り終えたあたし達は今、近くのベンチで休憩をしている。
ジェットコースターから降りた時、あたしは本当に酷い状態だった。
それは、従業員さんが心配するほどで。
唇には色がなくなって、顔色も表情も暗かった。
足も生まれたての小鹿のようにプルプル震えていた。
なんとかここまで望月相馬に支えてもらいながら歩いてきたけど、一旦休もうということになったのだ。
さっき望月相馬が買ってきてくれたお茶が入ったペットボトルの蓋を開ける。
途端にまたさっきの自分を思い出し、恥ずかしくなって下を向く。
そんな自分を取り繕うようにお茶を一口飲むと、ペットボトルの蓋を閉めた。
もう大分楽になったし、望月相馬に迷惑が掛かっちゃうからいつまでもここで座っているわけにもいかない。
そう思ったあたしは勢いよく立ち上がる。
でも、急に立ち上がったからか眩暈がして足元がフラつく。
「おおっと」