大嫌いなアイツの彼女になりました。
だけどその瞬間、望月相馬があたしの両肩を持ったため、なんとかきちんと立てた。
「……いきなり立ち上がっちゃダメだよ」
望月相馬は困ったように微笑んだ。
「ごめんっ……」
あたしは望月相馬の手をあたしから離しながら謝った。
「……ったく、強がらなくてもいいんだよ?」
「強がってないよ……もう、大丈夫だから」
「だから次の所行こう?」とあたしは微笑んで見せた。
だけど、望月相馬の表情は曇ったまま。
「本当?大丈夫?」
「うん、全然大丈夫」
「じゃあ、次は純香ちゃんの好きな所行こっか!」
そう言って優しく微笑む望月相馬。
だけど、あたしには分かる。
本当は今も、あたしのことを心配してるってこと。
それが、今繋がれた右手から伝わってくる。
トクントクン……と、ジェットコースターに乗った時とはまた違う鼓動があたしの胸の中で大きく響いていく。
でも、決して嫌な音じゃなくて。
なんだろう。可笑しいな、あたし。
この気持ち、懐かしい。
あの時を思い出しちゃうな……。
あっ、いけないいけない!
あたしは首を振る。