大嫌いなアイツの彼女になりました。

　一応危ない所を助けてくれたんだから感謝しないといけないんだろうけど、こんな奴に感謝なんて出来そうにもない。



　一生懸命そんな自分と葛藤しているあたしをよそに、彼は満面の笑みを見せる。


「……まあ、いいや。てかさ、そんな運命的な再会しちゃったんだから、いっそさ」


　そこまで言うと、一瞬言葉を止めて、

「ねえ、付き合わない？」

　真剣な表情でそう言ってきた。







「……は？」


　驚く？なんて言葉じゃ表しきれない。

　ムカつく？怒り？なんてもの、通り越した感情だ。


　……意味が分からない。



　コイツの笑顔は、まるであたしをおちょくっているように見えて。

　あたしの中で、確実に何かの糸が切れそうになった。



「……信じらんない」


「え？なんて？」


「あんたなんてだ、だいっ……」


　そこまで言って、あたしは言葉を止める。




　いや、待てよ？

　これって絶好のチャンスじゃない？

　ムカつくコイツに復讐する、またとないチャンス！！



　今まで散々傷つけられてきたんだ。


　仕返しぐらい、したっていいよね。

　自業自得だっつうの。





　あたしは満面の笑みで彼を見つめ、

「・・うんっ、いいよ♪」