大嫌いなアイツの彼女になりました。


















 それから、望月相馬とあたしは沢山アトラクションに乗って、遊園地を満喫した。

 ご飯を食べたりお土産を買ったりもした。



 そして、辺りは真っ暗になって閉園時間まであと30分になった現在。

 あたし達は遊園地の夜景を楽しむため、観覧車に乗っている。



「わあ!見て見て、あのお化け屋敷もライトアップされてるよ!」


「そんな不気味なライトアップより、あのジェットコースターだろ。めっちゃキラキラしてるじゃん」


「いや、相馬くんはお化けが怖いからそんな風に言うんだよ」


「いやいや、純香ちゃんがジェットコースターに恨み持ってるだけ」

 向かい合って座り、外の景色を見ながらそんな他愛もない会話を繰り広げる。



 色んなアトラクションがライトアップされていて、とても綺麗な景色が目に映っている。

 それを見ながらワイワイ話すのも、結構楽しいんだなと初めて気づいたな。



 なんて思っていると、

「ねえ、純香ちゃん。この観覧車のジンクスって知ってる?」

 望月相馬が急にそう言ったため、あたしは視線を外の景色から目の前にいる望月相馬へと移した。



「ジンクス?」


「そう。ベタなやつなんだけど、頂上でキスをした二人は永久に結ばれるっていう」


「キスした二人は……」


 そう小さく呟きながら、そっと目線を落とした。



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