大嫌いなアイツの彼女になりました。
頂上……?
さっき聞いたジンクスの話が一瞬だけ頭に浮かんだが、望月相馬の表情を見る限り、キスしようとは考えていなさそうだ。
だったらなんで?
そう不思議に思ったけど、望月相馬が急かすので仕方なく目を瞑る。
すると、望月相馬が立ち上がったのか、ゴンドラがぐらっと少し揺れる。
そしてまた小さくゴンドラが揺れたのと同時に、隣に望月相馬が腰を降ろしたのを感じ取った。
どうやら、望月相馬があたしの隣に座ったようだ。
それから望月相馬はあたしの肩を持ち、あたしをくるっと45度回転させた。
何がしたいんだろう?と思いながら目を瞑っていると、突然首に冷たい紐のようなものが当たった。
突然のことに驚いて、ビクッと揺れる体。
「あれ?……あ、こうか」
なんていう声と共に吐息が耳にかかり、くすぐったい。
望月相馬の手が、たまに首に当たる。
その度にドキッとあたしの胸は跳ねてしまって。
「……よし、出来たっ!もう目、開けていいよ」
望月相馬の嬉しそうな声音が聞こえ目を開けると、あたしはすぐに自分の首を見た。
「あっ………」
そこには、シルバーのチェーンにあたしの名前を筆記体で「sumika」と作ってその隣に小さなハートをくっ付けたペンダントトップのネックレスがあった。