大嫌いなアイツの彼女になりました。







「あれね、続きがあるんだ」

 そう言うと、望月相馬は窓の外からまた、あたしへと視線を移した。

 あたしもその言葉を聞いて、また望月相馬の顔を見る。


「続き?」


「うん、頂上でキスをすると永遠に結ばれる。」


「そうだね」


「頂上で男が相手の女にプレゼントを渡すと……二人は、いつまでも仲良くしていられる」


「……それって」


「今の俺らには、そっちの方がピッタリでしょ?」

 望月相馬は嬉しそうにはにかんだ。



 頂上で男が相手の女にプレゼントを渡す……つまり、頂上で望月相馬があたしにネックレスを渡した、あの行動のことだ。


 いつまでも仲良くしていられる……確かに、そっちの方があたし達らしい。



 もう一度、ネックレスに触れる。



 もうすぐ、ゴンドラが回り終わってしまう。

 もうすぐ、遊園地が閉園してしまう。


 少し寂しいけど、今日は本当に最高の一日だった。



 望月相馬の気持ちが嬉しくて、素敵な今日のことを振り返って、あたしは望月相馬をじっと見つめる。

 望月相馬もあたしを見つめる。





 そして、二人同時に、笑い合った・・・ー-










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