大嫌いなアイツの彼女になりました。

アイツの妹


















 あの日から、大分時が流れた。


 秋の香りが少し寂しさを感じる11月。

 寒さも身に沁みてきた。





 今、望月相馬と放課後デートをしている所。

 あたしの首には、遊園地で望月相馬に貰ったネックレスが光っている。




「うわぁ、このキーホルダー可愛いね」


 あたし達がいるのは、近くのショッピングモール。

 沢山お店が並ぶ中で、今はあたしが好きな可愛らしい小物を売っているお店にいる。


 周りはそういう店ってこともあり、やっぱり女の子だらけ。

 なのに望月相馬は何とも思ってないみたいで、楽しそうに笑っている。



「これも、純香ちゃん好きそうだね」


「え?どれー……あっ、好き好き!こういうの結構好み」


「でしょー、やっぱりね」


 なんて話しながら小物を見ていると、あたしは可愛らしいキーホルダーを一つ見つけた。



「あ、これ可愛いっ」


 そのキーホルダーは一つしか置いていなくて、あたしはそれに手を伸ばす。


 そしてキーホルダーに触れた時、

「これがいいっ」


 そのキーホルダーに、もう一つの手が触れた。



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