春を待ってる
「え? 貴一? な……」
ソファに押し倒した美咲の唇の柔らかさを堪能した後、そっと顔を離してく。俺の目に映るのは美咲のか弱い表情。眉を下げて潤んだ瞳、もちろん頰は濃いピンク色。
美咲の目が俺を捉えた途端、きりっと鋭さを取り戻した。
「貴一、退いてよ、怒るよ?」
確かに怒った声で、俺を退かそうともがいてる。
「ダメ、まだ美咲の答え聞いてないから」
「答えって、何よ?」
「だからぁ……俺のこと、好き?」
「ば、バカなこと……」
じたばたする美咲を押さえつけて、意地っ張りな唇に食らいつく。俺の下で美咲は必死に体をくねらせて抵抗するけど構うものか。
素直に言わないからお仕置きだ。
やがて美咲の動きが鈍ったことを確かめて、唇を離してく。
「俺のこと、好き?」
問いかけながら耳朶を啄むと美咲はぴくりと体を震わせて、俺の耳元に唇を寄せた。
「好き……だよ」
吐息まじりのささやかな声を落とす。
きゅっと締め付けられる胸の痛みとともに、耳朶に強烈な痛み。
訳がわからなくて驚いて飛び退くと、美咲がしたり顔で微笑んだ。とろんとした目で頬を赤く染めて。