ツンデレーション*チョコレート
――「おっはようー!」
元気よく教室のドアを開けると
教室からは甘い香り。
「郁華、おはよう!」
そこら中で
女子たちはきゃっきゃと互いのチョコを交換し、
早速開けて食べ始めてる子なんかもいる。
そしてこれから、
私もその輪の中に入る予定なのです。
先ずは
いつものメンバーが集まっているところへ。
「おはようー!
私からはぁーー、チョコマフィン!」
そう手に持っていた紙袋を掲げると
「待ってましたぁ」
というのは志津香-しづか―。
「私からもあるからねぇ」
と互いにお菓子を交換し合う。
その次に
「はいっ、郁華!」
と癒し系の笑顔を向けてくれたのは真帆-まほ―。
「私中学まではチョコ持ってくるの禁止で
こっそり交換してたから、
高校に入ってこんな風にオープンに渡せるの嬉しい!」
なんて言いながらかなり気合の入った包装のお菓子をもらう。
「真帆ってば、彼氏のためにかなりこだわったらしくて、
ついでに私たちの分までこんなゴージャスなんだよー!」
とにやけながら真帆を小突く杏奈-あんな-。
そんな風に
クラスの、時にはそれも超えた女の子たちと
お菓子の交換をしながら、
私は手に持つ紙袋に入ったひとつのマフィンに意識がいく。