未来ーサキーの見えない明日までも。
美月が仕切って二人の腕に自分の腕を絡める。
「ふふ、いい男二人を両サイドに置いてお祭りなんて気分良いわー」
だんだんと祥多や祥花から遠ざかりながら、美月は笑った。
「サヤ達はいいのか、美月姉」
「んー? 一人で良い思いしたかったの。夢だったんだー、祭りで両手に花」
「……それ女の科白じゃないですよね」
「大丈夫、大丈夫! 大して変わんないって。ほらほら行くよー!」
ハイテンションな美月に抗えず、奏多は密かに溜め息を吐いた。
一方、祥多と祥花は他にも焼きそばやお好み焼き、焼き鳥などを購入し、会場から離れた石段に腰を下ろしていた。
ワイワイガヤガヤと騒がしくも楽しそうな祭りの音を遠くに、サヤは冷ましながらたこ焼きを味わう。
「うまいか」
「うん! はい、お父さんも」
──はい、祥ちゃんも。
そう言って笑った花音の顔が、一瞬祥花と重なった。祥多はそれを振り払い、祥花の差し出すたこ焼きを口に入れる。
「うん、うまい」
「でしょー」
祥花は笑い、再びたこ焼きを口に運ぶ。祥多は焼き鳥に手を伸ばした。
「お父さんとお祭りなんて本当に久し振りだね」
「そうだな。夏休みの時期と冬休みの時期は忙しいからな」
「しょうがないか。でもだからこそ今日が何倍も楽しめるって考えたら、悪くはないかな」
「……奏多が言う通り、少し大人になったな、サヤ」
「え?」
「あの、子どもでワガママなサヤがそんな風に思えるようになったかぁ」
祥多は嬉しそうに笑った。気づかない内に着々と成長していく我が子達。それは祥多の生きる上での喜びであり、生き甲斐でもあった。
「子どもの成長ってのは本当に早いな。特に女の子は」
ぽんと祥花の頭を撫で、祥多は優しく微笑んだ。
「何か、良い出逢いでもあったのか?」
祥多の何気ない質問に、祥花の顔が微かに強張った。あまりにも微かで、祥多はそれに気づかない。
「ふふ、いい男二人を両サイドに置いてお祭りなんて気分良いわー」
だんだんと祥多や祥花から遠ざかりながら、美月は笑った。
「サヤ達はいいのか、美月姉」
「んー? 一人で良い思いしたかったの。夢だったんだー、祭りで両手に花」
「……それ女の科白じゃないですよね」
「大丈夫、大丈夫! 大して変わんないって。ほらほら行くよー!」
ハイテンションな美月に抗えず、奏多は密かに溜め息を吐いた。
一方、祥多と祥花は他にも焼きそばやお好み焼き、焼き鳥などを購入し、会場から離れた石段に腰を下ろしていた。
ワイワイガヤガヤと騒がしくも楽しそうな祭りの音を遠くに、サヤは冷ましながらたこ焼きを味わう。
「うまいか」
「うん! はい、お父さんも」
──はい、祥ちゃんも。
そう言って笑った花音の顔が、一瞬祥花と重なった。祥多はそれを振り払い、祥花の差し出すたこ焼きを口に入れる。
「うん、うまい」
「でしょー」
祥花は笑い、再びたこ焼きを口に運ぶ。祥多は焼き鳥に手を伸ばした。
「お父さんとお祭りなんて本当に久し振りだね」
「そうだな。夏休みの時期と冬休みの時期は忙しいからな」
「しょうがないか。でもだからこそ今日が何倍も楽しめるって考えたら、悪くはないかな」
「……奏多が言う通り、少し大人になったな、サヤ」
「え?」
「あの、子どもでワガママなサヤがそんな風に思えるようになったかぁ」
祥多は嬉しそうに笑った。気づかない内に着々と成長していく我が子達。それは祥多の生きる上での喜びであり、生き甲斐でもあった。
「子どもの成長ってのは本当に早いな。特に女の子は」
ぽんと祥花の頭を撫で、祥多は優しく微笑んだ。
「何か、良い出逢いでもあったのか?」
祥多の何気ない質問に、祥花の顔が微かに強張った。あまりにも微かで、祥多はそれに気づかない。