ちょこれーとは手渡しで
snow chocolate
雪降るホワイトクリスマス、私は運命の出会を果たした。…………少なくとも私の中では
それから早、およそ1ヶ月半。
今日は2月14日
今年のバレンタインは一人にしかあげる予定はない。
友達には悪いけど、そこはわかってくれるだろう。
今日は土曜日だからきっと家にいてくれるだろう。平日は昼夜逆転していたり一日中出掛けていたりと滅多に会えない。
まあ、会ったとしても嬉しいのは私だけであの人はものすごーく嫌そうな顔を浮かべる。
今日押し掛けていっても…たぶん、、その表情が安易に想像できて、それさえも愛おしいと思ってしまうのだから恋とは偉大だ。
ブルーと淡いピンクのタータンチェ
ックの箱に昼間作った生チョコと紅茶カップケーキを入れて、そっと深呼吸をする。
私の家から徒歩1分、住宅街に相応しくない豪邸、その言葉がふさわしい家の前に立つ。
ここにはあの人しか住んでいないって事が分かっているから、その門を押し開ける。
私の家からあの人の家までよりも門から玄関までの方が時間がかかるとは一体どういうことなのか。
玄関にたどり着きチャイムを鳴らす。
まあ出てこないだろうという軽い気持ちで鳴らしたが、珍しく室内から扉が開いた。
「はい…………」
私を見て扉を閉めようとするとは全く。
閉められる前にするりと室内に入り込む。
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