ちょこれーとは手渡しで
意を決してハクさんを振り向きじっと目を合わせる。
彼も視線を逸らすことなく見つめ合う。
私が口を開くとピーンポーン、来客を告げるチャイムがなり、彼は私から視線を外し玄関に行ってしまった。
急に力が抜けて床にしゃがみこんでしまう。
しばらくしてリビングのドアが開いた音に顔をあげるとハクさんじゃない男の人
私に負けないくらいぽかーんとした表情を浮かべている。
だから、その後ろから入ってきたハクさんが私たち二人を見て 僅かに眉を寄せ
「……馬鹿二人」
そういうのも無理はない。
その声に反応した男の人ははっとしたようにハクさんのあとを追いかけて
「え、お前犯罪じゃねぇ?
初めてこの家で女の子見たなーとか思ったけど………」
その言葉に、ハクさんは一体何歳なんだろうと思案する。
「…………あ、もしかしなくても最近帰りが一定のりゆ、いでっ、、」
叩かれつつもにやにやと何かを思いついたような笑みを浮かべた男の人にハクさんはため息をつき
「お前さっさと帰れよ」
ハクさんから敬語がとれた!!ちょっとした感動を覚える。
「はいはい、邪魔者は退散しますよ」
手を振ってリビングを出ていくときさりげなくポケットに何かを入れられた。